『逃走』が描く逃亡犯・桐島聡 血まみれ爆破事件の「悔悟」と「逃げる理由」

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『逃走』2025年3月15日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

 団塊世代にとっては気になる映画だろう。昨年1月、新左翼過激派集団「東アジア反日武装戦線」のメンバーで、長らく逃亡中だった桐島聡が死亡した(享年70)。神奈川県鎌倉市の病院に末期がんの患者として入院し、「自分は桐島聡だ」と告白。警視庁は桐島を保護して事情を聞いたが、わずか4日後に亡くなった。重大事件の犯人が半世紀ぶりに発見され、すぐに死亡したというニュースは世間の耳目を集めたものだ。

 映画「逃走」は桐島の逃走劇。明治学院大学在学中に爆弾の実験をする場面に始まり、病院で死去するまでを描いている。

 監督の足立正生は若松孝二、大島渚などの作品に参加。自身も日本赤軍に加わり、27年間に渡って日本を離れた経歴を持つ。御年85歳の筋金入りだ。

 1970年代、東アジア反日武装戦線は「狼」「さそり」「大地の牙」の3グループに分かれ、12件の企業連続爆破事件を起こした。その中で「狼」が行った74年8月の三菱重工爆破事件は死者8人、重軽傷者380人を出した惨劇だった。

 桐島は「さそり」に属し、警視庁によって指名手配となった。以来、全国の交番に顔写真が張り出されたため、桐島発見の報道を見て「あ、こいつか」と思った人は少なくないだろう。

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