そう来る!? AI提案の「酷暑の乗り越え方」に笑った。私が考えたオリジナル“心理的”対処法も教えます【日日更年期好日】

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コクハク

 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第39話は「夏の更年期」。

【日日更年期好日】

 夏本番、酷暑真っ盛り。365日、汗と火照りと闘う全国約2400万人の更年期同志の皆さま、こんにちは。毎日、もう暑いんだか、自分が火照っているんだか迷子状態。エアコンの効いた室内と灼熱の外空間の往来を続けていると、更年期のメンタル崩壊のように自律神経が乱れてくる。1日も早く、秋よ来い。そう考えている人も多いだろう。今回はドンズバ更年期世代の私が「もう笑って乗り切るしかない」と心に決め、ふと見つけたオリジナル対処法を紹介したいと思う。

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明るいバージョンのAIに対処法を聞いてみる

AIで文章が書けるようになったから、効率化がすごいんですよ」

 あちこちからクリエイティビティを無視したこんな声が聞こえてくるが、どんなにAIシステムが進化しても、人間の脳を使って書く文章に勝るものはない。これはあくまで持論なので、異論反論は受けつけないけれど、今回のようなアイデアを募集するときこそAIの出番である。ちなみに私が使っているのは『Grok』。

 私「更年期の夏が辛いのですが、どんな乗り越え方がありますか?」

 初手。普通に質問を投げかけてみる。

 G「更年期の夏はホットフラッシュや発汗、疲れやすさなどが特に辛く感じられる時期ですよね…」

 と、体温調節の工夫やホットフラッシュ対策、生活環境の調整などを提案された。これでは産婦人科や厚生労働省の紋切り型文章である。違う、求めているのはこれではない。

 私「もうちょっと面白い感じの対処法をお願いします」

 G「ハハ、確かに『水飲んで涼しくして寝なさい』だけじゃ物足りないよね! 」

 AIはオーナーのリクエストにハッとしたのか、急にタメ語になり、提案を切り替えてきた。例えば「ホットフラッシュが来たら『忍者モード』発動!」とフルーツを冷凍庫に冷やしておいて、暑さがきたら首元を忍者のごとく冷やせときた。ニヤリ。あとは「夏の更年期ディスコ」と称して踊れといい、「更年期ヒーローごっこ」では暑さが襲ってきたら、更年期を悪役に見立てて戦って気分を吹き飛ばせと。爆笑。こんな案は私の思考回路には皆無だった。笑っているうちについさっきまで暑くて、イライラしていた自分を忘れていた。

 文章はAIに絶対負けないけれど、こんな奇想天外の発想はAIならではだと思うので、ぜひ試して欲しい。笑っているうちに暑さも忘れそうだ。

ケ・セラ・セラを歌う

「ケ・セラ・セラ」とはスペイン語で「なるようになる」「なんとかなるさ」といった意味。文字通り、もうどうにかなると思っていないとこの暑さは乗り切れない。そう思った私は「ケ・セラ・セラ」を歌ってみようと、曲を探し始めた。Mrs.Green Appleにもヒット曲があるけれど高音域すぎて、逆に体力を消耗してしまいそうだし、他にも同タイトルの曲はあるはず。

 腰を据えて、調べてみると膨大な曲数の「ケ・セラ・セラ」が判明した。ざっと見ただけでも30曲以上はある。皆、楽観主義に流れたいのか、憧れを持つのか。国内の音楽だけではなく、国外もカウントしたらとんでもない曲数になりそうだ。前述のMrs.Green Appleをはじめ、手嶌葵、ペギー葉山、丘みどり、雪村いづみなど皆が「なんとなるでしょ」と歌唱してきたとは…膨大な「ケ・セラ・セラ」の字面を眺めていたら、暑さもどうにかなるような気がしてきた。関連曲にウルフルズの『明日があるさ』も出てきたので、なんとなく口づさんでみたら気持ちも上昇してきた。今回はミュージックプラシーボ効果としてタイトルを指定したけれど、好きな曲を聴くだけでも良さそう。

やたら派手な服を着る

 この時期、大量の汗をかいているので汚れることや、嵩張るクリーニング代を考えるととても高価な服には手が出せない。そんな理由から私はファストファッションに手を出す。普段は着ないような派っ手なデザインを選んで、灼熱の街へ出かける。汗まみれになろうとセール時期に買ったランチ代金のような服。家で洗濯ができると思ったら気にしない。即席の“テンション上げ”であり、ファッションショーを楽しんでいる。こんな酷暑だからこそ思い切れる遊びだ。

 とにもかくにも酷暑はまだ続く。最低限の暑さ対策は各々に準備するとして、10%ほどの余白あったら「あとは気合いで」のつもりで、上記対策を試してみてほしい。もう物理的には暑さと戦っているのだから、次は心理的効果を狙うしかない。以上、意外と真剣に考えた更年期暑さ対策、終了。

(小林久乃/コラムニスト・編集者)

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