【22.父の夢】終戦の日に庭のサルビアを引き抜いた父の背中

世田谷区喜多見町の小さな借家で迎えた終戦の日、ラジオから流れる玉音放送を聴き終わった父は黙って庭に下り立つと、大事に育てていたサルビアの花を一本残らず引き抜いてしまった。食糧難で狭い庭に育てるトマトやナスは我が家の貴重な食料だったが、なぜか父は畑の隅にサルビアの種をまき、「花よ…
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