著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」「大人のブルーハーツ」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた最新刊「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)が絶賛発売中。最新刊「日本ポップス史 1966-2023: あの音楽家の何がすごかったのか」が11月10日に発売。ラジオDJとしても活躍。

セ・リーグは半世紀遅れ…この年に起きた数々のパラダイムシフト

公開日: 更新日:

「赤ヘル旋風」と並ぶトピックが、長嶋監督初年度の巨人最下位だ。何と巨人史上、唯一の最下位でもある。

 つまり75年は、巨人一辺倒ではない新しいパラダイムにシフトした年だったのだ。

 新パラダイムといえば、それまで13シーズン連続で本塁打王を獲得し続け、また73年.74年は三冠王にも輝いていた王貞治を抑えて、阪神の主砲・田淵幸一が本塁打王になった年としても記憶される。

 しかし今回記録を見て驚いたのは、足の肉離れなどもあり、いかにも不調だったという印象の王貞治が、打点王をきっちりと獲得していること。本塁打も33本「も」打っている(ちなみに田淵は43本)。王って、やっぱりすごかったんだな。

 最後に、もうひとつの新パラダイム。それはパにおける指名打者(DH)制の導入である。何と半世紀も前から、すでに始まっていたのだ。ちなみにパのベストナイン指名打者部門は、阪急の長池徳二。

 そして半世紀後の今、ようやっとセも再来年からDH制導入が決定。いや来年から始めようよ、いやいや半世紀前から始めているべきだったんだよ。

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