セ・リーグは半世紀遅れ…この年に起きた数々のパラダイムシフト
「赤ヘル旋風」と並ぶトピックが、長嶋監督初年度の巨人最下位だ。何と巨人史上、唯一の最下位でもある。
つまり75年は、巨人一辺倒ではない新しいパラダイムにシフトした年だったのだ。
新パラダイムといえば、それまで13シーズン連続で本塁打王を獲得し続け、また73年.74年は三冠王にも輝いていた王貞治を抑えて、阪神の主砲・田淵幸一が本塁打王になった年としても記憶される。
しかし今回記録を見て驚いたのは、足の肉離れなどもあり、いかにも不調だったという印象の王貞治が、打点王をきっちりと獲得していること。本塁打も33本「も」打っている(ちなみに田淵は43本)。王って、やっぱりすごかったんだな。
最後に、もうひとつの新パラダイム。それはパにおける指名打者(DH)制の導入である。何と半世紀も前から、すでに始まっていたのだ。ちなみにパのベストナイン指名打者部門は、阪急の長池徳二。
そして半世紀後の今、ようやっとセも再来年からDH制導入が決定。いや来年から始めようよ、いやいや半世紀前から始めているべきだったんだよ。