「お前は犬以下だな」夫のモラハラ発言が耐えられない! 40歳妻がそれでも離婚を拒む“打算的な”事情
40歳、ピリピリモードの結婚2年目にため息
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
結婚2年目を迎えた40歳の加奈子さん(仮名)は、4歳年上の夫・ジュンイチさん(仮名)とのピリピリとした生活にストレスを抱えています。その理由とは?
「結婚後、半年くらいは新婚ムードで楽しかったんです。だけど最近は、口論が絶えなくて…。夫はいわゆるハイスぺ系で、家庭よりもキャリアを優先したいタイプ。それはわかったうえで結婚を決めたので、家のことは私がすべてやることには納得しています。でも…」
うかない表情で、言葉を選びながら話を続ける加奈子さん。
聞けば、夫の言葉は“モラハラ”にもあたるのではないかと思うほど、キツい口調が多いそうです。
【読まれています】アラカン夫が気持ち悪い。43歳妻が悩む“ある要求”とは「レスは大歓迎だけど…」
夫の言葉に傷つく日々
「吐き捨てるような話し方をするんです、うちの夫。使う単語もキツい表現のものが多くて、たとえば『君は知能指数が低いの?』とか『何度言ってもわからないなら、頭の出来はキナコ(筆者注:加奈子さん夫妻が飼っている犬)以下だな』とかって責められます。
本人は冗談まじりのつもりかもしれないのですが、言われているこっちの心にはグサグサと刺さって。もはや私の心は傷だらけですね」
友人に相談をしたところ「離婚一択だね」と言われてしまったものの、経済的な事情から離婚はまったく考えられないと加奈子さんは話します。
離婚は絶対にしたくない
「離婚はできないです。夫のことは好きだけれどキツイ言葉が出るたびに心が重くなり、しんどいです。今の暮らしぶりには満足をしていますし、離婚をしても私は路頭に迷うだけ。
子どもはいませんが、今さら独身に戻って生活水準を下げたくありません。夫と結婚したおかげで、独身時代よりもかなり良い生活ができているので、そこは感謝しているんですよね。
交際中にはモラハラ気質を疑うような発言は一切なく、むしろ優しかったのに。私の希望は、ただ毎日のモラハラ風発言をやめてもらえたら…って、それだけなんです」
結婚後の夫の変化には驚くとともにどう対処をしていいのかわからず途方に暮れていると、加奈子さんは暗い表情です。
義母は味方になってくれなかった
「まさか自分がモラハラ夫と結婚をするなんて、思ってもいませんでした。でも離婚したくないから、なんとか夫に変わってもらいたいんです。
吐き捨てるような話し方をやめてくれるだけでも、私のストレスはかなり減るのですが…。直接話をしても、『俺はモラハラなんて、していない』の一点張り。
義母にもチラッと相談をしてみたんですけど『仕事が忙しくて、追い詰められているんじゃない? 言葉がキツいときは、あまり関わらずにそっとしておくのが一番よ』なんて言われてしまいました。
う〜ん…、こういうのってどうしたら変わるんですかね? 今では、毎日夫が帰ってくる時間が憂鬱になりつつあります」
離婚だけは避けたいと加奈子さんは、繰り返し訴えます。
(並木まき/ライター・エディター)


















