著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

放送作家・新野新さんを悼む 初めてラジオ番組に呼ばれてかけられた、ありがたい言葉

公開日: 更新日:

「覚悟してます」と返すと「ホンマかいな? ホンマに覚悟してんねんやったら立派なことやわ。見向きもされんようにならんよう、忙しいいま、勉強しときや」とありがたい言葉をかけていただきました。

 以降、お会いするたびに「書いてるか? 書き続けな書けんようになるから、しんどうても頑張って書きや」と励ましのお言葉をかけてくださり、新野先生がタレント養成所を開校された際には責任講師にお声がけいただきました。「NSCの講師をやっているので、吉本がどういうか確認をとらないとわからないです」と答えると「それやったら大丈夫や、吉本の許可はもろてるさかい面倒見たって」とすでに根回し済みで、以降10年ほど新野先生の下で講師をしたこともありました。

 振り返ると、先生の個性的なしゃべり方や引き笑いは覚えていますが、どんな話をしていたかあまり記憶になく……よくよく考えてみると、先生は相手の話を聞いて、豊富な知識の中から合う話題をあてて、相手を光らせていました。「ほう! ほう! それはすごいわ!」と合わせつつ「こういうふうには考えられへんのん?」とさりげなく補足して、ウダ話でさえ面白い話に変えてしまう。根底には自分が放送作家で、裏方だという意識が強かったのかもしれません。鶴瓶さんもそんな新野先生の“引き出す力”で生まれた「作品」のひとつだったのではないでしょうか。

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