「みんなが見たい」の信念から 太田光は一人で責任をかぶっても「事件」を起こす
さんま本人は、当日の生放送中、引き受けた理由を「太田やからというだけ」と答えている。自分のために力を尽くしてくれた人の頼みとあらば、駆けつける「情」の人なのだ。
それは、太田も同じだ。今回の漫才中、太田は渦中の「広末涼子」や「米倉涼子」といった名前をぶっこんだ。これは事前にTBSにはもちろん、さんまに対しても言っていないことだった。それは「さんまさんが承諾したとか、TBSが承諾したつったら、そっちに迷惑かかる」(同前)という太田なりの配慮なのだ。
同じようなことは以前もあった。今年の元日「新春!爆笑ヒットパレード」(フジテレビ系)でのこと。漫才中に太田は「日枝、出てこい! Aプロデューサーって誰?」と発し、物議を醸したのだ。
このような番組に出る際、爆笑問題は事前に番組に台本を提出するという。それは、他のコンビとのネタかぶりを防ぐことや、それまでの経験から「このネタ、通しましたよね? あなたの局は」と“証拠”を残す意味合いもあるという(「爆笑問題カーボーイ」25年2月18日)。だが、フジの件のセリフは入れていなかった。相方の田中にも言わず「俺ひとりの判断にしなきゃダメ」だと考えたのだ(同前)。
責任を一人でかぶってでも“事件”を起こす。そこには「テレビって“事件”が面白いじゃん。みんな事件が見たい」(BS-TBS「町中華で飲ろうぜ」25年5月19日)という信念があるからに違いない。



















