歌舞伎では古典がダブルキャストで上演される場合、「形」の違いを楽しむのも一興

公開日: 更新日:

 ダブルキャストでの「三大名作通し上演」も今月の『義経千本櫻』が最後。

 今月は片岡仁左衛門と中村梅玉、尾上松緑以外は、平成生まれの若手が主要な役で競うことになった。

 こういう古典は、いくつもの「形」があり、基本的には主役の役者の家に伝わる型で上演される。その違いを楽しむのも今回のダブルキャストの趣向である。誰でも違いが分かるのが「川連法眼館」で、團子は祖父・二代目猿翁が作った宙乗りのある型で演じ、右近は音羽屋に伝わる型。

 脇役では、中村歌昇の義経が予想以上に堂々として立派だった。父・又五郎のいまのポジションを考えると、歌昇に主役がまわってくるチャンスは少なそうだが、今後に期待したい。

「渡海屋」「大物浦」での知盛を中村隼人と坂東巳之助が競う。この勝負は互角。

 そして、「木の実」「すし屋」での権太を尾上松緑と片岡仁左衛門が競うのだが、仁左衛門と松緑とでは次元というかレベルが違う。

 仁左衛門の外見の若さには慣れているものの、やはり驚嘆すべき。もちろん外見が若いだけではない。権太は「若者」なので、人間としての未熟さを表現しなければならない。いまの仁左衛門に「未熟」ほど合わない言葉はないが、それを芸で演じてしまうのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋谷教育学園渋谷から慶大に進んだ岩田絵里奈を育てたエリート医師と「いとしのエリー」

  2. 2

    「タニマチの連れの女性に手を出し…」問題視されていた暴行“被害者”伯乃富士の酒癖・女癖・非常識

  3. 3

    同じ幼稚園に通った渡辺翔太と宮舘涼太はクラーク記念国際高校で再び合流、そろって明海大へ進学

  4. 4

    侍J山本由伸にドジャースとの“密約説”浮上 WBC出場巡り「登板は2度」「球数制限」

  5. 5

    元横綱照ノ富士「暴行事件」の一因に“大嫌いな白鵬” 2人の壮絶因縁に注目集まる

  1. 6

    4月からフリー転身の岩田絵里奈アナに立ちはだかる 「日テレ出身」の不吉なジンクス

  2. 7

    これが高市“ウソつき”首相の正体 世間はウソを望む。だから権力者はウソを利用する

  3. 8

    和久田麻由子アナは夜のニュースか? “ポスト宮根誠司”めぐり日本テレビと読売テレビが綱引き

  4. 9

    旧宮家の"養子案"に向かう高市内閣と世論が求める「愛子天皇待望論」

  5. 10

    <第3回>力士とのセックスはクセになる!経験者が赤面吐露した驚愕の実態とは…