「町のお医者さん」も深刻経営危機…診療所「4割以上が赤字」の衝撃データ

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 全国の病院の7割が赤字に陥り、倒産が相次ぐ中、診療所(医院・クリニック)を営む「町のお医者さん」も経営危機に苦しんでいる。高い保険料を払っているのに医療サービスを受けられない「医療崩壊」が現実味を帯びてきた。

 24日に国会内で開かれた立憲民主党の社会保障改革総合調査会・厚生労働部門合同会議。医療関係者から経営実態などをヒアリングするために行われ、出席した多摩ファミリークリニックの大橋博樹院長(日本プライマリ・ケア連合学会副理事長)が診療所の経営環境を説明した。

 大橋院長は日本医師会の「令和7年 診療所の緊急経営調査」(実施期間6月2日~7月14日)を引き合いに、病院だけでなく「診療所も今、4割以上が赤字」と指摘。全地域的な経営課題として、「物価高騰・人件費上昇」(76%)や「患者単価の減少」(60.6%)に加え、「施設設備の老朽化」(41.3%)の深刻化も訴えた。

 こうした問題は後継者不足にも直結しており、日医の調査では「近い将来、廃業」が約14%に上る。「(後継候補がいても)自分で勤務医を続ける、ないしはもう少し条件のいい開業を考えるというふうになってしまっている」(大橋院長)という。

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