“松井秀喜キラー”だった元阪神ドラ1投手 遠山奨志さんは京都の高校で球児を熱血指導中
遠山奨志さん(元阪神タイガース投手/58歳)
プロ野球ドラフト会議が23日に行われた。競合、くじ引き、一本釣り。今年も泣き笑いのドラマが展開されたが、40年前の1985年に阪神の1位指名を受けたのが遠山奨志さんだ。ドラフトの思い出や2度の戦力外通告、巨人・松井秀喜キラーとしての復活劇など山あり谷ありの野球人生を語ってくれた。
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現役引退は2002年。23年ぶりに会った遠山さんはふっくらとしていた。体重は当時から約10キロ増の95キロ。評論家活動を終えてからは大阪・浪速高野球部の監督を5年間務め、今年3月から京都廣学館高校野球部の特任投手コーチ兼チーム強化アドバイザーとして週の半分、球児を熱血指導している。
「高校生はひとつのきっかけでコロッとよくなる成長力がある。それがやりがいでもあり、面白いところだよね。就任した時点で部員はわずか16人。競争しなくても全員ベンチ入りメンバーになれるから必死さがなかった。でも、4月に1年生が18人、来年も24人が内定しているから45人になる。ようやく試合に行くAチーム、課題強化のBチームが編成でき、そこから競争が生まれて強くなっていく。京都は今、抜きんでた高校がなくダンゴ状態だから楽しみなんだ」
日本人メジャーリーガーも増えて本場の野球が身近になったこともあり、投手には“投げ込みは悪”論が広まりつつある。だが、遠山さんの指導法は真逆だ。
「走り込みも含めて、それは違うよと。君たちはまだ成長過程で体力もない。細い体じゃ何もできないよと。投げ込まないとフォームも固まらないし、制球も肩のスタミナもつかないからね」
そうした教えは、プロで積み上げた経験から学んだ。


















