著者のコラム一覧
世良康

広島県福山市出身。1948年生まれ。釣り歴40年余りの元日刊ゲンダイ記者。アユ、ヤマメ、磯釣りなどに親しむ。著書に「アユ・ファイター10年戦記」「釣りの名著50冊」「続・釣りの名著50冊」「首都圏日帰り地魚食堂38選」「文人・文士・食通が綴った絶品あゆ料理」(いずれも、つり人社刊)など。

公開日: 更新日:

「猿猴 川に死す」森下雨村著

 雨村は大正9年創刊の雑誌「新青年」の初代編集長。江戸川乱歩、夢野久作、横溝正史らの才能を発掘して“日本探偵小説の父”と呼ばれる。

 彼は50歳で、地位も名声も捨て、高知県佐川町にUターン。太平洋戦争開戦前夜の頃だ。以降75歳で没するまで、故郷の山河で「釣りと農耕と読書」の余生を送った。

 表題作は、激流にもぐってのモリ突きや網打ちなどで川を自在に走り回って“猿猴(河童)”の異名をとった男が「猿も木から落ちる」ようにあっけなく川で命を落とした話だ。

「鎌井田の瀬」は、仁淀川を代表する絶景激流ポイントで当代一の鮎釣り名手・佐藤垢石と釣りを競った思い出をつづったもの。

 ほかに吉野川、四万十川、物部川、新庄川などでアユやウナギを追い、浦戸湾や須崎湾でハゼの数釣りに興じたことなど。

 忘れがたき釣りの風景が、素朴端正な筆致で淡々と描かれている。

 (岳洋社)

【連載】ベテラン釣り記者が厳選!いま読みたい釣りの名著ベスト7+1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    新木優子と結婚した中島裕翔は大正解! 吉田羊との“合鍵愛”報道から10年目…

  3. 3

    二軍で塩漬け、移籍も厳しい…阪神・梅野隆太郎に残された“代打の神様”への道

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希またも“自己中発言”で捕手批判? 露呈した「人間性の問題」は制球難より深刻

  5. 5

    連続出塁記録に黄信号…ドジャース大谷翔平の本拠地6連戦が“鬼門”になるワケ

  1. 6

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  2. 7

    中島裕翔に新木優子と熱愛報道 ファンから囁かれるHey! Say! JUMP脱退の背景と“問題児”の過去

  3. 8

    広瀬すず 映画賞受賞ラッシュでも残された大仕事「大河ドラマ出演」への“唯一のネック”

  4. 9

    完全復活を遂げた吉田羊と"7連泊愛"中島裕翔の明暗…恋路を阻んだ"大物"による8年前の追放劇

  5. 10

    トランプ大統領に「認知能力低下」説が急浮上 タガが外れた暴言連発で“身内”MAGA派からも正気を疑う声