経営者の決定判断は半数近くが失敗している…3つの理由
意思決定の多くは、「どれだけ速く決断できるか」に焦点が置かれがちです。しかし、オハイオ州立大学のナットらの大規模調査は、速さ優先の決断が必ずしも成功につながらないことを明らかにしています。
この調査では、アメリカとカナダにある中規模から大規模の会社や組織で、経営者などの責任者が下した356件の意思決定を分析しています。これらの決定には、新しい商品を作ったり、機材を購入したり、人事のルールを決めたりといった、会社で日常的に行われるさまざまな決定が含まれていたといいます。しかも、この調査は20年以上に及ぶ、長期的な分析をしたものでした。
研究チームは、それぞれの意思決定に関わった主要な人物、特に決定に責任を持つ人物にインタビューをし、どのような手順でその決定がなされたのかを詳しく調査。そして、決定が実行された後、2年間追跡調査を行い、2年後もその決定が実行され続けていれば「成功」、途中でやめてしまったり、一部しか使われなくなったり、元のやり方に戻ってしまったりした場合は「失敗」と判断しました。決定の判断を、責任者の「良かった」「悪かった」といった個人の感想で判断せずに、客観的事実に基づいて調査したという点も、特筆すべきことでしょう。


















