「天下の値段」門井慶喜著

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「天下の値段」門井慶喜著

 紀州藩2代藩主・徳川光貞の妾腹の四男、新之助は、父に天守からの眺めを見せられた。紀伊水道を菱垣廻船が疾走するのを見てどこに行くのか尋ね、大坂に米を運ぶ船であることを知る。光貞は大坂の商人が奸策を弄して米の値段を操り、儲けていると怒っていた。父や兄と違って自分なら視察に行っても目立たないと考えた新之助は、大坂に向かう。米市に行くと男たちが大声で競りを行っていた。米俵はその場にないのに仲買人の米切手1枚で10石の米が動くと知り、新之助は怒りを覚える。

 市場の自治を守ろうとする商人と、後に8代将軍となり米将軍と呼ばれる徳川吉宗(新之助)の闘いを描く時代小説。 (文藝春秋 1980円)


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