著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

気候変動がもたらす家庭の危機…猛暑が続くとDVリスクが増加する?

公開日: 更新日:

 気温や降水量などの気象条件は、人の行動にさまざまな影響をもたらすことが知られています。例えば、高温環境は脳内のセロトニン神経に影響を与え、自制心を低下させたり、攻撃性を増加させたりする可能性が報告されています。不快な高温環境はまた、攻撃的な行動の動機付けに関連する可能性も示唆されていました。

 そのような中、気候と家庭内暴力の関連性を検討した研究論文が、米国医師会のオープンアクセスジャーナルに2025年8月29日付で掲載されました。

 米国ルイジアナ州のニューオーリンズで行われたこの研究では、2011~21年の間に警察署へ通報された15万523件の家庭内暴力が分析対象となりました。家庭内暴力の通報内容から郵便番号(地域)と日時が特定され、ユニバーサル熱気候指数との関連性が解析されています。ユニバーサル熱気候指数は、気温だけでなく風速や湿度などの気象条件を考慮することで、熱条件に対する人の生理的な反応を適切に捉えることができる指標です。なお、同指数の単位は気温と同じく「℃」です。

 解析の結果、ユニバーサル熱気候指数が30℃を超えた状態が5日以上続いた場合、家庭内暴力の発生リスクが4%、統計学的にも有意に増加することが分かりました。

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