著者のコラム一覧
牧村康正ジャーナリスト

1953年、東京都生まれ。立教大学卒業後、竹書房に入社し、漫画誌、実話誌、書籍編集などを担当。立川談志の初の落語映像作品を制作。実話誌編集者として山口組などの裏社会を20年にわたり取材。同社代表取締役社長を経て、現在フリージャーナリストとして活動。著書に「ごじゃの一分 竹中武 最後の任侠ヤクザ」「『仮面』に魅せられた男たち」(ともに講談社)などがある。

尾崎豊「ジェームス・ディーンのように」(3)晩年の豊には博愛主義とは裏腹の物悲しい孤独感がつきまとった

公開日: 更新日:
命日の4月25日、ロック歌手尾崎豊さんのレリーフに集まったファン(東京都渋谷区) /(C)共同通信社

 尾崎豊は一九八七年十二月二十二日、覚醒剤使用で逮捕された。豊の兄・尾崎康が書いた「弟尾崎豊の愛と死と」によれば、豊が初めてドラッグに手を出したのは、八六年秋からのアメリカ滞在中のことだったという。

 その間、豊はときおり帰国して家族に顔を見せていたが、まず母親が異変に気づいた。ドラッグ使用について問うと、豊は否定も肯定もしなかった。家族の期待は、ともかく日本に帰ればドラッグと縁が切れるに違いないという一点だった。

 しかし、八七年一月に帰国したあとの豊はますます深刻な状態におちいった。家族の前で幻視・幻聴に襲われ、暴れまわったことさえあるという。家族と豊の一年間にわたる壮絶な戦いのあと、ついに家族は決意した。 

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