小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

公開日: 更新日:

 演技経験の浅い玉置を、小林が懐の深い演技でがっちり受け止めて、それはそれはいい“兄弟分”だった。そして毎回のように2人が“流し”の設定で歌い出す、そのデュエットが最高! ロック、ムード歌謡、演歌のおなじみの曲が、独特の“玉置節”とそれに負けない“小林節?”のハーモニー。この味わいは、絶対に他では見られない貴重なものだ。

 視聴率が当時としてはパッとしなかったとしても、僕にとってはこの年の代表作。当時アラフォーの篠ひろ子は色っぽかったし、同年に“鉄骨娘”としてブレークするハタチくらいの鷲尾いさ子も可愛かったし。

 当時の僕は、ドラマを放送している時間は仕事場か酒場のどちらかで、もっぱら忘年会のビンゴで当たった14インチのテレビデオでの視聴だった。VHSに録画したバラエティーやドラマを早送りしながら見ては消していた僕が、このドラマだけは等倍で見ていた。

 そこには、最近のドラマではめったに見かけない、泥くささと熱と、押しつけがましくない人情があった。そして唯一無二のあの歌声も……さて今回はこのあたりでござりまする(↑そりゃ春日局だ)。

(テレビコラムニスト・亀井徳明)

【連載】あの頃、テレビドラマは熱かった

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」