獅童と初音ミクによる「超歌舞伎」10年前は最新技術だったが、いまは珍しくなくなった…

公開日: 更新日:

 第二部の松緑の『丸橋忠弥』は、前半のドラマ部分はいいが、後半の立ち回りが長過ぎる。最初は迫力があるなと見ていたが、しまいに飽きてしまった。

 獅童の『芝浜革財布』は落語が原作。前半と後半で人格が変わるのを意識して、コントラストをつけるためなのだろうが、前半が粗野過ぎて、なぜ妻がこの人のためにそこまでやるのかが伝わらない。

 第三部は玉三郎による染五郎育成プロジェクトで、まずは『与話情浮名横櫛』。「源氏店」の場のみだが、玉三郎の若さが驚異的で、50歳以上も年下の染五郎と、カップルに見える。とはいえ、お富のほうが年上の感じになってしまうが、これは仕方がない。

 8月に上演された新作『火の鳥』が早くも再演となった。よほど気に入っているのか、気に入らないところがあったので直したかったのか。配役は玉三郎と染五郎は同じだが、大王が幸四郎から中車、ウミヒコが團子から左近へと交代。

 大王は傲慢で権力欲が強いが、それゆえに弱さもあるが、中車はその弱さをうまく出している。染五郎と左近は、兄と弟として身長のバランスがとれている。中盤の、映像を駆使しての、二人が火の鳥を求めて旅するシーンが素晴らしい。舞台で映像を使う例が多くなったが、この芝居では、背景である映像と染五郎たちが見事に融合している。最新映像技術はこう使えというお手本になる演出だ。

(中川右介/作家)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋谷教育学園渋谷から慶大に進んだ岩田絵里奈を育てたエリート医師と「いとしのエリー」

  2. 2

    「タニマチの連れの女性に手を出し…」問題視されていた暴行“被害者”伯乃富士の酒癖・女癖・非常識

  3. 3

    同じ幼稚園に通った渡辺翔太と宮舘涼太はクラーク記念国際高校で再び合流、そろって明海大へ進学

  4. 4

    侍J山本由伸にドジャースとの“密約説”浮上 WBC出場巡り「登板は2度」「球数制限」

  5. 5

    元横綱照ノ富士「暴行事件」の一因に“大嫌いな白鵬” 2人の壮絶因縁に注目集まる

  1. 6

    4月からフリー転身の岩田絵里奈アナに立ちはだかる 「日テレ出身」の不吉なジンクス

  2. 7

    これが高市“ウソつき”首相の正体 世間はウソを望む。だから権力者はウソを利用する

  3. 8

    和久田麻由子アナは夜のニュースか? “ポスト宮根誠司”めぐり日本テレビと読売テレビが綱引き

  4. 9

    旧宮家の"養子案"に向かう高市内閣と世論が求める「愛子天皇待望論」

  5. 10

    <第3回>力士とのセックスはクセになる!経験者が赤面吐露した驚愕の実態とは…