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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(72)「人間は根源的に孤独な存在である」と知ってるのが表現者だ

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加納「表現者はみんな『己とはなんだろう』って追っかけてるんだよ。でも、その『己』に到達したアーティストっていないと思うわけ。そんななかでも己とは何かということを表現するために魂を削って、命を削って、いろんな苦闘をしている。一方で社会というグラウンドでそっから逃れるわけにはいかないし、だから『人間というものは根源的に孤独な存在である』と知ってるのが表現者なんだ。その孤独感を表現するために俺の場合だったら写真と絵がある。増田さんの場合だったら小説がある」

増田「まったくその通りですね」

加納「今回ほど自分のことを素で話しきったことはない。そういう意味で楽しかったよ」

増田「こちらこそありがとうございました」

加納「これからも写真と絵画に命がけで挑んでいきたいと思っています」

(「時代に挑んだ男」加納典明 全72回おわり)

▽かのう・てんめい:1942年、愛知県生まれ。19歳で上京し、広告写真家・杵島隆氏に師事する。その後、フリーの写真家として広告を中心に活躍。69年に開催した個展「FUCK」で一躍脚光を浴びる。グラビア撮影では過激ヌードの巨匠として名を馳せる一方、タレント活動やムツゴロウ王国への移住など写真家の枠を超えたパフォーマンスでも話題に。日宣美賞、APA賞、朝日広告賞、毎日広告賞など受賞多数。

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