著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

浜村淳さんが話してくれた話芸「浜村節」成り立ち秘話

公開日: 更新日:

 91歳を越えてなお現役でラジオパーソナリティーをされている浜村さん。思い出すのは1974年のラジオの深夜放送……京都弁をベースにしながら、流れるような語り口調に高校生の私は魅了されました。後に上岡龍太郎さんから「ラジオでは浜村淳に勝たれへん」と目の前で直接伺ったときには改めて浜村さんの凄さを知りました。

 映画の解説での「走った! 走った! 走った!」「逃げた! 逃げた! 逃げた!」と同じフレーズを重ねて臨場感と緊張感を演出して、リスナーを映画の世界に引き込んでしまう話術は特筆もので、浜村さんの話を聞いているだけでその映画を「見た気持ち」にさせられてしまうのでした。

 浜村さんといえば「さてみなさん……」という問いかけのフレーズが有名です。でもあのフレーズ、実は大平サブローさんが浜村さんのものまねをされる時に、イメージを増幅させてつくった“フェイク”でした。ところがこのフレーズが有名になると本家が逆輸入。サブローさんに「さてみなさん、使こてもかまへん?」と言う柔軟さもありました。

 浜村さんに初めてご挨拶したのは「上方漫才まつり」でオール阪神巨人さんの台本を担当した1985年の春。私の名前に「正識を“まさのり”と読ませますか、ええ名前やね。もう覚えたわ。厳しい世界やけど息の長い作家になってくださいね」と励ましていただきました。以来、数え切れないほどご一緒させていただき、呼び方も「本多さん→本多くん→本多はん→ぽんちゃん」と変わっていきました。

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