著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一(12)19歳で一家離散「安藤組解散に倣って萩本家も。“皆さん、かいさ~ん”って」

公開日: 更新日:

増田「それで豆腐屋の2階に下宿されて」

萩本「これがまた運だよね。ほいでどこ行こうかなと思って」

増田「布団を担いで」

萩本「いや、担ぐってほどじゃないから。楽屋の横丁にちょっと置いといて。布団もね、ギュウギュウに縮めりゃ相当小っちゃくなりますからね。そうしてブロンディー*でお茶飲んでさ」

※ブロンディー:浅草。六区の裏手にいまも残る老舗の喫茶店。かつては店の2階が芸人たちのたまり場になっていた。当時の浅草の人たちは「ブロンディー」ではなく「ブロンデ」と発音した。

増田「ブロンディーっていうのは?」

萩本「浅草の喫茶店。たしか今もあると思う。2階が芸人のたまり場になっててね。そしたらコーヒー飲んでるお客さんが『俺、豆腐屋やってるんだけどさ。誰かアルバイトやってくんねえか探してるんだ』なんて言ってさ。『朝ちょっと配達してくれるとかさ、そういうのやってくんない?』って声かけてくれて」

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