長寿研究のいまを知る 番外編(3)「この食べ物がいい」の常識が変わる

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「遺伝が銃に弾を込め、環境が引き金を引く」--。欧米で病気のメカニズムの説明の際に用いられるフレーズだ。病気の発症は遺伝だけでなく、環境が深く関係することを指す。環境には生活習慣が含まれ、なかでも体をつくり、エネルギーを生み出し、さまざまな代謝の原動力となる日々の「食事」が重要となる。ハーバード大学&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。

「昔から『医食同源』の言葉で健康に良い食事の重要性は万人に説かれてきました。近年はそれがより重視され、『あなた専用の食事』を科学的に作る研究が進んでいます。例えば同じ糖質を同じ量取っても太る人と太らない人がいます。その差を解明、一人一人に合った健康的な食事を研究するのが『プレシジョン栄養学』で、いま新たな学問として注目されているのです」

 この流れの出発点とされる論文がある。2015年にイスラエルの研究チームが発表したものだ。約800人に持続血糖測定器を装着させ、食事ごとの血糖変動を詳細に解析した。その結果、同じ食品でも血糖値の上がり方は個人によって大きく異なることが判明。これは「低GI食品=誰にとっても安全」との従来の常識に修正を迫る結果だった。

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