著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

公開日: 更新日:

出番前の真っ暗闇の中で叫んだ二郎さん

萩本「うん。無理やり舞台に引っ張り出した時ね、セリで出ようっていうんで、暗転の中で真っ暗な地下に2人でスタンバイしてた。そこから、ずーっとセリ上がってくると、ライトがパーッと当たって、2人で正月の新年あけましておめでとうっていうところから入るって演出だったんだけどね。紋付き羽織袴で真っ暗の中で二郎さんが『欽ちゃん、笑い、考えつかなくなったんだよ。考えてくれよ』って叫ぶように言ったの。これからもう出番だってときにだよ。俺からすると、頼むよ、二郎さんって」

増田「ええ」

萩本「セリの真っ暗の中で顔は見えないからさ。このヤロー、暗いからって、こんなわがまま言いやがってと思ったけど、でもその時にね、なんかジーンとした。ああ、本当にいいコンビだったなって。最後に俺をアテにしてくれるんだっていう」

増田「いい話ですね。本当に。まあ、僕よりも若い世代だと『欽どこ』『欽ドン!』ぐらいが欽ちゃんのイメージでしょうけど僕たちの世代だと、本当にコント55号っていうのは素晴らしい」

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