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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈35〉妻が大事故を起こして車はぐちゃぐちゃ…それでも事なきを得た秘訣

公開日: 更新日:

「箱根の峠道でブレーキ利かなくなって…」

萩本「はい。そういうところで運が変わるんだっていう気がするから。こんなこともありました。引っ越した時に、奥さんがお腹が痛いって救急車で病院に行った。だけど救急車って、帰りは送ってくれないんだよね。そのことがあって奥さんが僕に内緒で車の免許取ったの。神奈川の山の上の家だから、車がないと生活できないところだからって。俺、やめてくれって言ったんだよ、事故が起きるからって。事故が起きると、私の仕事もアウトになるよって言った。間違いなくそうなるって言ったんだよ。だからやめてって言ったの」

増田「確信してた?」

萩本「うん。1年後くらいに大事故が起きるよって。でもね、どうしてもこの場所で車なければ生活できないって言うんで。うん、じゃあわかったよって。覚悟しとくからって。そしたら本当に1年後、大事故が起きた。でも、人が亡くなったとかっていう事故じゃなかった。奥さんから電話が来て、いきなり『あんた当たるのね。本当に1年後に大事故だよ』つって」

増田「車がぐちゃぐちゃになるぐらいの事故だったんですね」

萩本「箱根の峠道でブレーキ利かなくなって車が暴走したんです。そういうところを暴走したら、道の脇に駆け上がるとこがあるのね。そこへバーって駆け上がったら、そこにたばこ吸って休憩してるあんちゃんがいたんだって。オートバイを置いてたばこを吸ってたんだけど、逃げ場のないところでしょ。車が逃げるそういうところに立ってちゃいけないんだけど、その人をね、ちょっとケガさせちゃった。向こうがごめんなさい、ごめんなさいって助かりましたよね」

増田「よかったですね……」

萩本「そんなものが見える。だからほら、俺、車の免許なんか持たないの」

(つづく=火・木曜公開)

▽はぎもと・きんいち 1941年、東京都生まれ。高校卒業後、浅草での修行を経て、66年にコント55号を結成。故・坂上二郎さんとのコンビで一世を風靡した。その後、タレント、司会者としてテレビ界を席巻し、80年代には週3本の冠番組の視聴率がすべて30%を超え、「視聴率100%男」の異名をとった。社会人野球「茨城ゴールデンゴールズ」の初代監督、2015年には73歳で駒澤大学仏教学部に入学するなど挑戦を続け、25年10月にスタートしたBS日テレ「9階のハギモトさん!」は今年4月からSEASON3に突入した。

▽ますだ・としなり 1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

【連載】増田俊也 口述クロニクル「茶の間を変えたコメディアン 欽ちゃんのぜ~んぶ話しちゃう!」

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