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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

EXIT兼近の「知らない」が世代間ギャップを埋めてくれる 百恵&友和も唐沢寿明&山口智子も「?」

公開日: 更新日:

若者に媚びてインフルエンサー起用の愚

 昭和生まれにしてみれば百恵&友和は説明するまでもない話。映画ドラマで何度も共演、恋の行方に世間が注目し、結婚は大きな話題だった。しかも、百恵ちゃんは人気絶頂で引退した。

 当時芸能ニュース最盛期でもあり、長男・祐太朗が生まれ、次男・貴大が生まれて大騒ぎに。

 だからこそ、「知らない」という兼近に対してなんなんだコイツは! と若干の怒りも湧くというものだが、よくよく考えてみれば、現在35歳の兼近にとってはすべて生まれる前の出来事。知らなくても仕方ない。

 そう考えると、兼近の「知らない」はむしろ今のテレビにとっての救いかもしれない。私たちが共通認識と思っていたことが通じないということを明らかにしているのだから。

 かつてと異なり、今では家族が一緒にテレビを見ることはなくなり、芸能史も受け継がれなくなった。その結果、兼近のような「知らない」族が大量生産されることになったのだ。もっとも、兼近はまだまし。キャラだとしても学ぼうというスタンスがある。

 だからこちらも「教えてあげようか」という気になる。

 問題はたまにテレビに出てくるSNSのフォロワー数百万人というインフルエンサーたち。「私を知っていて当然」という顔でひな壇に座っているが、恋愛リアリティーショーなど見ない人にしてみれば「誰?」ってなものだ。

 テレビ局は若い視聴者獲得のために彼らを持ち上げるが、成功したためしがない。SNSの数字とテレビの視聴はまったく別腹。必要なのは若者に媚びず、世代の違う人が同じ画面を見て「そうなんだ」と言える番組を作ること。

 兼近の「知らない」はテレビが失いつつあるものを、図らずも浮かび上がらせた。

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