ニカウさん来日で「ブッシュマン」騒動

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■1983年3月

 80年代初頭、南アフリカ映画の「ミラクル・ワールド/ブッシュマン」が大ヒットし、83年3月には主演をつとめたニカウ(当時推定38)が初来日。日本中が何が起きるかと彼の動向にクギ付けになった。

 3月12日、成田空港で記者会見が開かれた。会見の主人公はアフリカ南部のカラハリ砂漠の少数民族サン人のニカウ。集まった大勢の記者の前で彼はにこやかに「大きな土(山)、大きな水(海)、白い地面(雪)を見てみたい」と通訳を介して抱負を語った。

 彼を呼んだのはフジテレビ。同局ではこの年の4月2日にテレビで「ブッシュマン」を放送することになっていた。そのプロモーションを兼ねての招聘(しょうへい)である。

 国外に出るのは初めてで、パスポートを作成するのにも正確な生年月日もわからない。フジテレビには「ブッシュマン事務局」という部署が急きょ新設され、対応に大わらわだった。

 パスポートの問題は44年6月16日生まれということにして、とりあえずクリア。宿泊先は京王プラザホテルと決まったが、ホテルの規定ではトレードマークの上半身裸のふんどし姿では泊まれない。フジのスタッフはコシノ・ジュンコに依頼し、彼のイメージを壊さないエスニック風の衣装を特注した。

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