ポール・マッカートニーのベースの奔放さ、ジョン・レノンのトリップした歌詞世界
- 印刷
- >> バックナンバー
- 今だけ無料
アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(1967年5月26日発売)⑤
1曲目(無料)から読む
■『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』
今回は、前回ご紹介した1曲目のタイトルチューンに続く、2~3曲目を紹介する。
それにしても1曲目に続いて、曲名が長いな。
「友達が手伝ってくれたら」──この長ったらしい感じが、一種のモードだったのだろうが、『ヘルプ!』(1965年)の頃が懐かしくなってくるではないか。といっても、『ヘルプ!』のリリースは、このアルバムからたった2年前なのだが。
↓………ここから続き………
リードボーカルはリンゴ。アルバム『サージェント・ペパーズ~』用セッションの最後の方に録音されている。「リンゴのボーカル曲、1曲ぐらいは入れてあげなきゃ」という感じで、ジョンとポールが作ったという。
リンゴにとっては、まさに「友達が手伝ってくれたら」という感じの制作過程である。
結果として『イエロー・サブマリン』(66年)、『オクトパス・ガーデン』(69年)と並んで、ビートルズ時代におけるリンゴ・ボーカルの代表曲となったが、それら2曲に比べて、音楽的には、この曲がもっとも深みがある。友達が手伝ってくれて、よかった。
ただ、今あらためて聴いて驚くのは、ある意味、リンゴのボーカル以上に、まるで歌うように自由に飛び回る、ポールのベースの奔放さである。
もしかしたらリンゴは「友達が手伝ってくれたら」を超えて「友達が僕よりも目立ってしまったら」と思ったかも。
■『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ』
またしても長い曲名だ。
有名なのは「ルーシー」と「スカイ」と「ダイアモンズ」の頭文字を取ったら「LSD」となること。
そう、本連載でも『シー・セッド・シー・セッド』の項に出てきた幻覚剤の名前である。ビートルズが当時親しんでいたドラッグなのだが、違法薬物ダメ、ゼッタイ。
しかし、この曲を作ったジョンは、息子のジュリアンが描いた絵を基にして作詞したと主張していた。実際のところはどうなんだろう。
それにしても、まさにトリップしたような歌詞世界に加えて、歌い出しは3拍子→サビが4拍子と、曲の途中で拍子が変わっていたり、さらにはジョンの声も、テープ操作によって、実際よりも高いピッチ(音程)になっていて、それこそ「イン・ザ・スカイ」を浮遊する感じになっている。
つまりは、ドラッグとまったく無縁という感じはしないのだが、どうだろう。でも──違法薬物ダメ、ゼッタイ。
■「日本の新しい音楽1975~ "New Music" from 1975」発売!
スージー鈴木氏の大好評連載が書籍化されました!Amazonでも好評発売中です!
■好評連載「沢田研二の音楽1980-1985」をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)発売中!


















