4月から3割減 「食品セシウム検査」縮小がはらむリスク
■半減期30年、濃度は上下を繰り返す
「チェルノブイリ事故後、ウクライナの汚染地域では、放射性セシウムが3~5年は順調に減っていました。データに基づけば、日本も今が底だと考えられます。しかし、原因は分かっていませんが、ウクライナでは、いったん減った後、どの食品でも必ず何倍かまで戻っているのです。そもそも『セシウム137』の半減期は30年ですから、検査品目の除外は早すぎます。セシウム濃度は上がったり下がったりを繰り返して、徐々に減っていく。現在の陸上の汚染状況も考え、少なくとも岩手から静岡、山梨、長野あたりまでの範囲では、これまで通りの監視を続けるべきでしょう」
今回、水産物のアンコウやアジ、ウニも検査対象から外れたが、「原発の汚染水問題で分かるように、海は毎日のように汚染されている。放射性物質がどうやって拡散されるのか、メカニズムすら分かっていない。検査除外は論外ですね」(小若順一氏)と憤る。