よく残っていたなぁ<元麻布>
ドラえもんの「どこでもドア」を使ったのかというくらい、これまでの景色と全く違う。住所は元麻布。
大学生時代、神戸市長田区の長屋のおばあちゃん家によく遊びに行った。何もかもが古くて、木のドアは開けるたびにガタガタいった。洗濯物が何日も外に干されていないと、「おばあちゃん、体の具合どや?」と隣近所の人が様子を見に行くほど、つきあいが密だった。うらやましかった。
あの感じを瞬時に思い出した。あの懐かしい風景が麻布に残っているのだ。窓越しに、何かを炒めているような音が聞こえ、ついニンマリしてしまった。エプロン姿のおばちゃん2人が立ち話。そういうのも、ここに来るまでは見かけなかった。
【世田谷散歩人 和田町夫】