内定取り消し5倍に拡大…東日本大震災以来9年ぶりの高水準
厚生労働省によると、高校や大学などを今春卒業して就職する予定だったにもかかわらず内定を取り消された人が、8月末時点の全国集計で174人に上った。新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化が響き、前年の約5倍に急拡大した。
東日本大震災が直撃した2011年3月卒(598人)以来9年ぶりの高水準。内定取り消し全体の約6割を占める104人がコロナ禍の影響だった。半数超の89人はその後、新たな就職先を確保した。
産業別では旅行業など「生活関連サービス・娯楽」と「卸売り・小売り」で約5割を占めるなど、新型コロナの影響が色濃く表れた。全国10地域で見ると、南関東が84人と半数近くを占め、九州(39人)、東北(15人)が続いた。
また、入社時期が繰り下げになったのは1210人。前年度は該当者がいなかった。2人を除く全員が新型コロナの影響という。厚労省は「引き続き企業への(内定取り消し回避の)働き掛けと学生への支援の両輪で取り組みたい」としている。