コロナ倒産1000件突破!大苦境4業種の断末魔と3月の修羅場

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「1カ月後には必ず事態を改善させる」――。根拠のない自信に満ちあふれた約束は、やはり果たされなかった。菅首相が2日、緊急事態宣言を10都府県で来月7日まで延長すると表明。新型コロナウイルス関連の経営破綻は1000件に達し、雇用不安も増大。会見で菅首相は「重層的なセーフティーネットにより事業を守り、雇用と暮らしを守り、困難を抱えた方を支えていきます」と語ったが、本気度が全然足りない。「公助」の総動員が急務だ。

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 会見に初めてグラフとプロンプターを導入した菅首相は冒頭、「全ての地域で緊急事態宣言を終えることができず、誠に申し訳なく思っています」と謝罪。飲食店の営業時間短縮、不要不急の外出自粛、テレワークの拡大、イベントの人数制限などを引き続き求めた。暮らしの制約が続くのは言うまでもないが、経済への打撃は「急所」と狙い撃ちされた飲食店や取引先にとどまらない。

 東京商工リサーチによると、新型コロナ関連の破綻は累計1000件に達した(2日午前10時現在)。

 昨年2月の最初の破綻から、ちょうど1年。業種別の最多は飲食業で、182件と断トツだ。百貨店や小売店の休業のしわ寄せを受けたアパレル関連(製造、販売)の91件、工事計画の見直しが広がる建設業83件、インバウンド消失が直撃する宿泊業が62件と続く。

「アパレル業界を襲っているのは、衣服そのものに対する需要減です。外出自粛やテレワーク導入などで、店舗に足を運ぶ機会が減った上、巣ごもり生活で衣服を新調する動機も薄まってしまった。都心部の店舗では、旅行・宿泊業同様にインバウンド消失も響いています。建設業については、住宅着工やリフォーム計画の見直しのほか、コロナ不況で企業の設備投資が細ったあおりを食らった格好です。外食や小売りは閉店が相次ぎ、リニューアルする体力がある企業は確実に減っています」(情報本部課長の増田和史氏)

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