菅首相が招いたコロナ禍の“無間地獄”…数字が証明する無能・無策ぶり

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 8日、東京への4度目の緊急事態宣言発令の決定後、会見に臨んだ菅首相。コロナ禍から延々と抜け出せない「無間地獄」を招いた責任はみじんも感じられず、強調するのはワクチン接種の加速ばかり。失敗の永久ループの「政治責任」から目をそらそうと必死だった。

■記者会見でもマトモに答えず、のらりくらり

「いつまでこんな生活がダラダラ続くのか。国民の疲労や不信感はピークに達している」

 質疑応答のトップに立った北海道新聞の記者は、「甘い見通し」「遅い対応」「不十分な中身」を列挙し、菅首相の政治責任を追及した。ところが、菅首相はマトモに答えず、のらりくらり。「一進一退の状況から脱して、決め手となるのがワクチンだ」とダラダラと話し続けた。

 今年に入って菅首相が東京に緊急宣言を発令したのは1月7日、4月25日に続いて3度目。1月の発令から今回の期限の8月22日までの7カ月半、都民が「緊急宣言」も「まん延防止等重点措置」も出ていない状況で暮らしたのは、わずか21日間(3月22日~4月11日)に過ぎない。

 これだけ長期間、不自由と我慢を強いながら、全く感染を抑え込めていない。きのうまでの全国の感染者数は累計81万人だが、宣言発令の1月7日以降が55万人と68%を占める。死者も累計1万4903人のうち、74%にあたる1万1082人が1月7日以降だ。菅首相の無能・無策ぶりは数字が証明している。

 結果が出ないのは、同じ失敗を繰り返しているからだ。

 GoToトラベルを年末まで引っ張り、遅きに失した1月の緊急宣言。短期集中をうたいながら、ハンパな中身でズルズルと長期化。2月末の関西3府県の前倒し解除で4月に関西は感染爆発。4月も6月も東京は、リバウンドの兆候がハッキリしていたのに、解除に踏み切り、2度とも大きな波に見舞われた。

失敗から何も教訓を得ない

 変異株への対応も最悪だ。すでに英国で変異株が大流行していた昨年12月、空港検疫では英国から渡航の陽性者が1カ月で4人から19人へと約5倍増。英国株(アルファ株)が市中に入っている可能性を示していたのに、変異株を発見する検査をすぐには行わず、その後の市中感染を許してしまった。

 その苦い経験を生かすことなく、4月にインドから渡航の陽性者が前月の8人から80人へと10倍に増えても、再び検査対応は後手。国立感染研の推計によると、今や首都圏では感染の約35%がインド株(デルタ株)に置き換わっている。

 今回も宣言を発令しながら、五輪強行という矛盾した政策で失敗は濃厚だ。さらに、コロナの季節性が感染拡大を加速させる可能性がある。1月、3月、8月に流行のピークを迎える傾向が明らかになっている。医療ガバナンス研究所の上昌広理事長が言う。

「最近、世界的に流行が広がっていますが、要因のひとつが、季節性によるものと考えられます。日本でも、これから8月にかけて感染が拡大していく可能性があります。デルタ株の影響を考えれば、今年の春とはケタ違いの流行が起きてもおかしくありません。季節性の流行変動は既知の事実ですが、政策に生かされているとは思えません。例えば、季節性を踏まえていれば、五輪の開催は夏と冬の流行のはざまの秋に延期するなど、できたはずです」

 失敗から教訓を得ず、科学的知見も生かさない。菅首相の失敗と国民の“生き地獄”は無限に続きそうだ。

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