五輪強行が招く人災「40代・50代コロナ死」続出リスク 重症病床使用率すでにステージ4突破

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 やはり、五輪をやっている場合ではない。20日の都内の新型コロナの新規感染者は1387人。前週の火曜日より557人増え、31日連続で前週を上回った。直近7日間平均も1180人と前週の149.3%に上昇。重症者も急増する中、コロナ死をいかに最小限に抑えられるか、重要な局面を迎えている。重症治療で8割近くの命は救える――そんな結果が大阪府の調査で分かったのに、五輪強行で台無しだ。

  ◇  ◇  ◇

■都内の重症者は軽く「第3波」超え

 都は重症者を前日と同じ60人と発表したが、人工呼吸器やECMOでの管理が必要な患者に限定した独自指標に過ぎない。集中治療室(ICU)などの患者も含めた国の基準に直すと前日より一気に43人も増えて619人。約1カ月で1.8倍に膨れ上がり、「第3波」のピーク時の567人(1月27日)を軽く上回る。

 確保している重症病床は1207床で使用率は51.3%。ついにステージ4(爆発的感染拡大)の50%を突破した。第3波の頃のように重症病床が逼迫するリスクは高まるばかりだが、重症治療の重要性を示す大阪府のデータがある。

 大阪では、今年3月1日から7月4日までに1513人のコロナ患者が亡くなった。このうち重症から死に至ったのは387人。全体の25%と意外に少ない。大阪では4~5月にかけて、重症病床が完全に埋まり、一部の重症者は軽症や中等症病床での治療を余儀なくされた。また、自宅や宿泊施設での死も少なくなかった。

 この間、辛うじて重症治療を受けられたのは1772人。うち死者は387人なので8割近くが助かったことになる。府の担当者は「重症病床で治療することにより、多くの方の命が救えると認識しています」(感染症対策企画課)と答えた。重症治療を行えば、救える命は少なくないのである。

助かる命を見捨てるのは人災

 現在は高齢者のワクチン接種が進み、重症者の中心は40~50代にシフトしている。高齢者の場合、重症治療は体力的に難しかったり、本人が望まないこともあった。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「40~50代は重症治療に耐えられる上、死亡リスクが高い高齢者と違って、回復する可能性も高い。大阪の重症治療で8割近くが助かったのは高齢者が中心の時期でしたが、40~50代なら助かる割合はもっと増えるでしょう。必要な患者が重症病床で治療を受けられれば、これまでよりも死に至るケースは少なくできるということです」

 都が確保している重症病床1207床は4月28日から1床も増えていない。都の担当者は「7月上旬に都基準の重症病床を373床から392床に増やしました。国基準でも1207床から少しは増えるはずです」(感染症対策部)と回答。劇的に増えることはなさそうだ。

「重症病床は大勢のスタッフも必要で、増床には限界があります。感染拡大は勢いを増していますが、漏れなく治療を受けられる体制を死守する必要がある。ところが、政府は五輪を強行し、感染拡大の方向に走り、一部の医療ソースも五輪対応に割かれてしまう。せっかく、重症病床で40~50代の命が助けられる可能性が高くなっているのに、死者が激増することになりかねません」(中原英臣氏)

 助かる命を見捨てるのは人災だ。五輪強行で40~50代のコロナ死ラッシュなんて、あってはならない。

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