山岡淳一郎
著者のコラム一覧
山岡淳一郎ノンフィクション作家

1959年、愛媛県生まれ。「人と時代」「公と私」を共通テーマに政治・経済、医療など分野を超えて執筆。著書は「ゴッドドクター 徳田虎雄」「原発と権力」「後藤新平 日本の羅針盤となった男」ほか多数。「ルポ副反応疑い死」近刊予定。デモクラシータイムス同人。

「関連あり」と報告した中日・木下投手の主治医が語る「我々の知らないことが起きている」

公開日: 更新日:

 中日ドラゴンズの投手・木下雄介さん(享年27)は、新型コロナワクチンの接種8日後に体調が急変。昨年8月に亡くなった。病理解剖の結果、接種との関係が濃厚とみられる「劇症型心筋炎」を発症していた。

 じつは、厚生労働省は心筋炎を「アナフィラキシー」「血小板減少症を伴う血栓症」とともに副反応疑いの注意喚起の対象にしている。米国CDC(疾病対策センター)も、昨年6月11日、ウェブサイトで副反応とみられる心筋炎および心膜炎の症例が「ワクチン有害事象報告システム(VAERS)」に1226例報告されたと公表。その多くが16歳以上の若い男性の症例だった。8割方が回復しているが、一部は重篤になっている。

 木下投手の治療に当たった藤田医科大学医学部重症心不全分野教授・簗瀬正伸氏にワクチン接種が心筋炎の原因と考えられる根拠、今回の症例から導かれる教訓について聞いた。簗瀬氏は語る。

「これまで数十例の心筋炎の症例を診ていますが、解剖で確認できた劇症型心筋炎の病理像は、過去の心筋炎の症例とは大きく異なっていました。新型コロナに感染して心筋炎を発症するケースもありますが、それとも違う。最もよく見かけるリンパ球性心筋炎では心臓の広範囲に炎症が均等に広がっていること(びまん性)が多いが、このケースは心臓の一部に強い炎症がある一方、一部には炎症が生じていない。われわれの知らないことが起きている。これらの所見や発症のタイミングから、原因として新型コロナワクチン接種が最も疑わしいと考えました」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    “ダルビッシュジャパン”で生じていた温度差 代表内には 「雰囲気が緩んでいる」の声もあった

    “ダルビッシュジャパン”で生じていた温度差 代表内には 「雰囲気が緩んでいる」の声もあった

  2. 2
    大谷翔平は「最高級品」ゆえのオール特別待遇だった 決勝戦リリーフ登板は本人がエ軍に“直談判”

    大谷翔平は「最高級品」ゆえのオール特別待遇だった 決勝戦リリーフ登板は本人がエ軍に“直談判”

  3. 3
    中村倫也が“ドンピシャ”水ト麻美アナに強力プッシュ! 庶民派カップルの電撃婚に祝福の声

    中村倫也が“ドンピシャ”水ト麻美アナに強力プッシュ! 庶民派カップルの電撃婚に祝福の声

  4. 4
    しょぼくなった「全国旅行支援」 独自の“上乗せ”のある県を狙えばまだまだお得!

    しょぼくなった「全国旅行支援」 独自の“上乗せ”のある県を狙えばまだまだお得!

  5. 5
    滝沢秀明氏「新会社設立」の絶妙タイミングに称賛集まる “辞めジャニ”勝ち組・負け組が鮮明に

    滝沢秀明氏「新会社設立」の絶妙タイミングに称賛集まる “辞めジャニ”勝ち組・負け組が鮮明に

  1. 6
    中居正広“WBC完全復活”の陰で…松本人志、タモリ、ビートたけしの「終活」が始まった

    中居正広“WBC完全復活”の陰で…松本人志、タモリ、ビートたけしの「終活」が始まった

  2. 7
    篠田麻里子が急転直下の離婚成立 執拗に不倫暴露の元夫に「言葉を信じる」と言わしめた力技

    篠田麻里子が急転直下の離婚成立 執拗に不倫暴露の元夫に「言葉を信じる」と言わしめた力技

  3. 8
    見事だったWBC決勝での侍J継投策 吉井投手コーチは“一球入魂”の落とし穴を熟知していた

    見事だったWBC決勝での侍J継投策 吉井投手コーチは“一球入魂”の落とし穴を熟知していた

  4. 9
    侍Jの官邸表敬訪問は誰も止められなかったのか…帰国当日のムチャぶり強行軍に疑問噴出

    侍Jの官邸表敬訪問は誰も止められなかったのか…帰国当日のムチャぶり強行軍に疑問噴出

  5. 10
    元AKB48“神7”の明暗クッキリ…篠田麻里子はドロ沼離婚、板野友美は夫がWBC優勝で歓喜

    元AKB48“神7”の明暗クッキリ…篠田麻里子はドロ沼離婚、板野友美は夫がWBC優勝で歓喜