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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

声優の櫻井智さんが他界…多臓器がんは複数あっても延命できる可能性も

公開日: 更新日:

 声優の櫻井智さんが多臓器がんで亡くなったことが報じられました。享年53。ご本人のXによると、「多臓器癌の症状が悪化したため8月4日に緊急入院となりましたが、症状が改善せずに誠に残念ながら8月13日に永眠しました」とのことです。

 多臓器がんとは1人の患者さんに異なる種類の原発がんが2つ以上発生した状態で、重複がんともいいます。原発がんですから、何かのがんの転移ではありません。すべて独立して発生したものです。

 なぜ複数の原発がんができるかというと、それぞれに共通する発がん因子を持つためで、日本人の場合、喫煙と飲酒が重要。飲酒は特にアルコールを分解する働きが弱い人で、飲酒によって顔が赤くなるタイプがよくありません。

 喫煙や飲酒の影響を受けやすいのは食道と咽頭で、食道がんの人は5~10%の割合で咽頭がんを含む頭頚部がんが重複するといわれます。逆に咽頭がんの人は検査で食道がんが数%の確率で見つかり、特に下咽頭がんと食道がんの重複が多いです。

 タレントの堀ちえみさんは2019年、ステージ4の舌がんで舌を6割切除。その手術後には、新たにステージ0の食道がんが判明し、切除したといいます。堀さんのケースは、頭頚部がんと食道がんの重複で、まさに典型的です。

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