1周忌前にやっと届いた鑑定書 死因とされた「全身性炎症反応症候群」の意味
広島県在住の岡本裕二さんは、新型コロナワクチン接種3日後に自宅で亡くなった長男の死因を知りたくて、地元の自治体窓口に、「健康被害救済制度」の適用を申し出た。遺体を解剖した広島大学法医学研究室が示した死体検案書の死因は「不詳」。納得できず、手がかりが欲しくて、救済申請を思い立ったのである。
しかし、広大は、解剖後、採取血液や組織検体を使って病理検査の鑑定作業を続けていたが、半年過ぎても結果が出ず、必要な資料がそろわない。救済申請は止まった。
今夏、一周忌が近づき、「仏前に何の報告もできないのは耐え難い」と岡本さんは警察に訴える。鑑定書がようやく届いた。
■接種が契機となった「可能性は否定できない」
そこに記されていた死因は「全身性炎症反応症候群」。初めて目にする病名だ。ワクチン接種が契機となった「可能性は否定できない」が、判定不能とある。全身性炎症反応症候群(SIRS)は、サイトカインストームが進んで多臓器不全に至る恐れのある状態を指す。