警察はキャリアとノンキャリアに二分…ノンキャリアのほうが現場経験豊かなのに
日本全国の警察官は約30万人いるらしい。マンモス組織の中でキャリアとノンキャリアに二分し、キャリア組は警官になった時点ですでに警部補だが、ノンキャリア組のほとんどは巡査部長で定年を迎える。
10年間司法通訳に携わって出会った4桁の警官の中で、現場で汗を流して、場合によっては血を流すノンキャリアの警官たち……。彼らには今でも尊敬の念を抱いている。
キャリア組は試験に合格し、一応各警察署で現場経験を積むが、だいたい2~3年間で各官庁や警察署に、警察官僚として赴任する。事件発生の場合、ノンキャリアはホシを確保する以外、上司であるキャリアの身の安全にも十分注意を払わなければならない。
もちろん、事件現場ではキャリアは最前線には行かないし、ノンキャリアのほうが現場経験豊かなのにもかかわらず、経験乏しいキャリアの下で納得のいかない指示を受けることも少なくないようである。
日本の警察は権力機関として、今でも時々、不祥事が起こるたびに報道される。私が携わっていた時期、特に神奈川県警がよくマスコミに取り上げられて、叩かれた。県警の刑事さんに言わせれば、あれは神奈川県警の上層部が、警視庁のように隠蔽工作が上手ではなかったからだという。