“替え玉受験”初逮捕は衝撃でも…「ウェブテストは自力で解くべき」が就活生に響かないワケ
就職試験の「1次関門」として多くの企業が利用しているウェブテストで「替え玉受験」が行われ、初の逮捕者が出た事件は社会に衝撃を与えた。
識者からは「不正行為で入社しても自分が後で後悔する」「愚かな行為だと自覚するべき」といった正論が出ていたが、こうした意見について、「今の就活事情を全く理解していない大人の時代遅れの指摘」と切り捨てるのが、都内の私大に通う3年生、倉田淳さん(21=仮名)だ。
「さすがに替え玉はやり過ぎかな、とは思いますが、今の就活生はカンニングがやりたくてやっているわけではない。不正行為がダメなことは誰でも分かっている。ならば、なぜ、やるのかと言えば、そうしないとテストを突破できないからです。例えば自力で取り組んでも、結局は、不正行為で受験した就活生の方が得点が高いので採用されてしまう。つまり、真面目な学生ほどバカをみるわけで、不正行為をやらざるを得ない状況にあるのです」
ウェブテスト問題の難化、種類の多様化も不正行為の一因になっているという。
「就職を希望する企業に申し込むと、ウェブテストを受験するよう指示があります。そこでテスト画面を開いて、初めてテストの内容が分かるのですが、過去問を解いた意味がないほど難しいものが少なくない。学生たちの間で『改良型』『進化型』などと呼ばれているもので、正直、自力で対策を立てようがありません。しかも、今はテストの種類が10種類ほどあるのです。ならば、最初からテスト別の模範解答を手に入れようと思うのは当然じゃないですか」(倉田さん)