「志楽の湯」露天はまるで山奥…瞑想状態で汗流しフラフラに
志楽の湯(神奈川・矢向)
公開中の映画「湯道」の脚本家小山薫堂氏が雑誌の企画で訪れ、日本湯道百選に推奨された「志楽の湯」は、2005年オープン。JR南武線矢向駅から徒歩約6分の閑静な住宅街にたたずむ。
砂利道を進み、木々に囲まれた古民家風の家屋は戦後、工場だった建物を再利用したそうだ。派手な看板などはない。
故岡本太郎作のオブジェ「縄文人」が飾られたフロントで入館料1100円(土日祝1300円)とタオルセット代310円を支払う。
昭和風情の脱衣場から浴場へ。ブロック石と石板で造られたカランが整然と並ぶさまが、工場だったことを彷彿させる。内湯に続く道は凹凸の縄文模様が施され、足つぼマッサージになる。
「御柱蔵石風呂」の浴槽は、幅8メートルほどの正方形で泳げるほど広い。地下約1300メートルから湧出した化石海水の湯は、かけ流しの琥珀色で41度。湯船中央にはモミの巨木がドンと立っている。
味噌樽風呂は、130年以上前に造られた味噌樽の大きな浴槽。40度。大の字での~んびり。
露天エリアの岩風呂は、長野県八ケ岳から運ばれた約230トンの安山岩を使用。かけ流しの42度に体を沈め、大分から移植されたコナラや山ツツジの木々を眺めると、小鳥のさえずりも聞こえてくる。山奥にいるようで心底、落ち着く。