著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

8歳の子どもを自宅に2週間置き去り…逮捕された母親はどんな罪に?

公開日: 更新日:

 母親が交際相手の家に滞在していたおよそ2週間の間、当時8歳(小学3年生)の息子を自宅に置き去りにしたとして、保護責任者遺棄の疑いで、平塚市の母親(25)が逮捕された事件がありました。

 アパートの隣の住人から「隣の部屋の子どもが『ママが帰ってこない』と言っている」と110番通報があり、犯行が発覚しました。

 男の子には他に虐待を受けた形跡はなく、2週間の間、1人でいた際は家にあったレトルト食品やカップ麺などを食べて生活していたため、健康状態に問題はなかったということですが、今回の場合、母親はどんな罪になるのでしょうか。

 今回のように、幼い子どもを長期間にわたり放置することは、「児童虐待」として法律上禁止されています。暴行などの積極的に子どもを害す虐待行為でなくとも、場合によっては、刑事上の責任を負うことがあります。

 例えば、保護者である親が、子どもの健康や命に危険があるような態様で、自宅などに子どもを長期間放置して立ち去った場合には、保護責任者遺棄罪として、3月以上5年以下の懲役刑に処せられる可能性があります。さらに、その放置行為が原因でその子どもが病気やケガなどの傷害を負ったり、死亡した場合には、保護責任者遺棄致死傷罪として、傷害の場合には3月以上15年以下の懲役刑に、死亡した場合には3年以上の有期懲役刑に処せられることがあります。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性