動物病院を替えたら薬が効くようになったのは一体なぜ?

公開日: 更新日:

 さて、薬について。ペットの服用は丸飲みするのが一番で、おやつに包んで飲ませることがよくあります。ところが、ヒトの薬をペットに飲ませる場合、1錠では多過ぎでペットの体重に合わせて調剤することがあります。その調剤で薬の効果が下がる可能性もあるのです。

 その典型が糖衣錠。糖でコーティングされている薬で、糖衣が胃酸で溶け、薬そのものは十二指腸で吸収されます。これを体重割で砕くと、薬が胃酸で溶け、効果が下がる恐れがあるのです。これを避ける方法がカプセルで、当院で糖衣錠を砕くときはカプセルに詰めてお渡しします。

■保存は冷蔵庫で!

 次に多いのが、シロップを活用するケース。使用できる薬が限られていて、一番は抗生物質でしょう。抗生物質が苦手だとシロップに溶かし、1回の分量を決めて、処方日数や回数に応じた分を写真のポリ容器に入れて処方します。少しでも薬の状態を安定させるため保存は冷蔵庫。これを守らず、ほかの錠剤と同じように常温で室内に保存すると、成分が分解されて効かなくなる恐れがあります。

 ヒトが薬局で処方薬をもらうとき、薬の説明書が明細書と一緒に渡されると思います。動物でも同じ仕組みを採用するところが増えていますから、薬の写真と剤形が異なるときは調剤の理由などを質問するとよいと思います。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも