失業者の面接用の服を無料でクリーニング…米西海岸の個人経営者が取り組むワケ
米カリフォルニアのあるクリーニング店が行っている失業中の人々を支援する取り組みに注目が集まっている。就職面接の際に着るスーツやシャツのクリーニングサービスを無料で提供してるのだ。
この店は、イラン出身のアリ・シルコダエイさん(写真=店のフェイスブックから)が経営する「ラックス・クリーナーズ&オルタレーションズ」。2006年、28歳の時に米国に移住したアリさんは分子生物学の学位を持っていたにもかかわらず、就職活動は困難を極め、1年間仕事が見つからなかった。
この経験から、「失業中の人々が直面する苦労がよく分かる」という。10年にシリコンバレーの中心地であるサンノゼ郊外のキャンベルで現在の店を開業し、以来、地元の人々に支えられて成功を収めた。
22~23年にかけてシリコンバレーの巨大IT企業が大規模なリストラを行い、失業者が増した際、「地元への恩返しに、失業者を支援したい」という思いで、この無料サービスを始めた。
サービスは、失業している人なら質問なし、制限なしで利用可。週に約5~10人の客がこの恩恵を受けているそうだ。
アリさんは地元メディアに「(失業している人々に)地域社会が気にかけてくれていると感じてほしい。受け取るだけでなく、与えることが喜びを生むんです」と語った。