著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

イラッとしたら「1年後も覚えているかな」と未来に視点を置こう

公開日: 更新日:

「レジリエンス(resilience)」という言葉があります。これは、つらいことや大きなストレスにぶつかったとき、それを乗り越えて元気を取り戻し、さらに成長していく力のことを意味します。日本語では「心の回復力」とも言われ、特に変化が多い今の時代にはとても大切な力とされています。柔軟に対応するためには考え方を柔らかくする必要があり、そのひとつが“視点を変える”ことです。

 カリフォルニア大学バークレー校のブルーマン=セネカルとアイドゥックらは、人は過去のネガティブな出来事を振り返るときに、「どのような時間的な視点を持つか」によって、その出来事への感情的な反応がどう変わるかについての調査(2015年)を行いました。

 実験には、現在ストレスの影響下にある人たちが参加したのですが、その際、今自分の身に起きている出来事が「1週間後」あるいは「10年後」から見たときにどう感じるか、という視点でとらえ直してもらいました。その結果、「遠い未来の視点」を持つと感情が和らぐという事実が判明したといいます。

 つまり、ストレスを抱えるだろうイヤな出来事があっても、「この気持ちは来週の今ごろどうなっているかな?」「10年後にこのことを気にしたり悩んだりしているかな?」と時間軸を遠い未来に置いて自問自答すると、ストレスは自然と薄れていくことが分かったのです。

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