著者のコラム一覧
鎮目博道テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人

テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人。テレビ朝日で社会部記者を経て、報道・情報系を中心に番組ディレクター、プロデューサーを務め、ABEMAの立ち上げに参画。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)、『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)、メディアリテラシーについての絵本『それウソかもよ? うちゅうじんがやってき た!のまき

テレビ中継の「猛暑」「豪雨」「台風」リポートって必要ですか?

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 いらないです。ハイ、以上…で済ませたくなりますが、それだとあんまりなのでちゃんとご説明しましょう。これからのシーズンきっと多く見かけることになる「ずぶ濡れの記者」や「汗だくのレポーター」の生中継。きっと見ていて「この人大丈夫かな?」と心配になる心優しい人も多いと思いますが、じつはこれでも以前に比べればずいぶん少なくなったんです。

 私が若い頃、つまり20世紀には「できるだけ緊迫感のある場所から中継する」のが当然という時代でした。台風なら、波がザブーンと押し寄せる防波堤から中継するとか、強風で飛ばされそうになりながら絶叫中継とかすると、局に戻ってから「エヂカラが強かったよね。迫力満点で、最高でした」と上司に褒められたりしたものです。

■「台風中継はいい天気で、連休の渋滞中継は車がスイスイ走っている」が大半

 じゃあ、記者はいつも危険な目に遭っていたのか? というとぶっちゃけそんなことはありませんでした。「狙っても外す」ことがほとんどだったからです。大雨が降っているはずが、現場に着いたら晴れていて話すことが無かっただとか。波がベタ凪で、後ろに小学生が群がってピースされちゃったとか。だいたい、天気というのは思った通りにいかないんです。私の経験からいうと、「台風中継はいい天気で、連休の渋滞中継は車がスイスイ走っている」というケースが大部分ですね。

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