患者数は昨年の54倍…大人の「百日咳」は糖尿病にも悪影響を与える

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 子供の病気と思われがちな「百日咳(せき)」が大流行している。国立健康危機管理研究機構発表の今年の感染症発生動向調査速報データ第18週によると、年初来の届け出件数は1万4267件で昨年同期の54倍。百日咳が全数報告対象疾患となった2018年以降、最悪のペースだ。年齢群別では0~4歳の割合が減少し、10~19歳が大幅に増えている。30歳以上は10%超となっている。そこで気になるのは全国で推定2200万人超いて、ちょっとした体調不良でも血糖が乱れる糖尿病とその予備群への影響だ。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に解説してもらった。

「百日咳とは、百日咳菌を原因菌とする感染症で、主に小児がかかる病気です。細菌を含む飛沫や細菌が付着した手で、鼻や口に触れることで感染します。1週間程度の潜伏期を経て咳などの風邪症状が出現。徐々に咳がひどくなり、2週間ほどしてけいれん性の咳発作が出るようになります。その後、徐々に治まりますが、完全回復には2~3カ月要します。子供や乳幼児は重症化しやすく、とくに生後3~6カ月だと呼吸困難による心停止、肺炎、脳症などが見られるケースがあります」

 感染力は麻疹ウイルスと同程度とされ、ワクチン未接種の乳児は細菌入りの飛沫に触れると90%の確率で感染するとの報告もある。

 1歳未満の幼児は重症化し、死亡例もあることから世界中でワクチンの定期接種が進められている。日本では乳幼児期に計4回の定期接種を行う。2024年4月からはジフテリア、破傷風、ポリオ、Hib感染症(細菌性髄膜炎、喉頭蓋炎など)のワクチンを含む5種混合ワクチンが定期接種に導入されている。ただし、ワクチン効果は4~12年で低下するため、小学校入学前と思春期の任意接種が勧められている。

 百日咳は世界的流行となっており、2023年は欧州連合/欧州経済領域で2.5万件超、米国は2024年に前年の5倍超の約3.5万件、中国では2024年1~3月に5.9万件が報告されている。

 今回の流行は新型コロナへの公衆衛生対策の緩和、第1選択薬であるマクロライド系抗菌薬やそれ以外の薬剤の耐性菌の出現、感染者が多いエリアからの訪日外国人の増加などが原因とみられている。

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