(3)アニマルセラピー…ハスキー犬2頭との散歩で元気を取り戻す
小野幸子・さち臨床心理研究所所長の元で治療を受けた不登校の子どもたちは、全員が登校できるようになり、大学進学や就職をして社会で活躍しているそうです。
そのひとりにプロの漫画家になったYさん(42)がいます。彼女が不登校になったのは、中学1年生の秋、同級生からのいじめがきっかけでした。
「クラスの皆から無視されるようになったのです。私から『おはよう』と声をかけても返事をしてもらえませんでした」(Yさん)
そんな毎日が続き、学校に行けなくなってしまったYさんは、家に引きこもり、ゲームと絵を描いて過ごしていました。
図書館司書として働いていた母親は「やっと中学に入ったというのに、どうして不登校になるのよ!」と怒るばかりで、娘の気持ちを理解しようとはしませんでした。
当時の様子を小野所長はこう話します。
「Yさんは生気がなく、誰からも理解されないという孤立感を抱いていました。一方で自分の気持ちを分かってくれる人を求めていました」