仕事や家事育児で多忙なのに無駄な時間を費やす人に贈る「やらないことリスト」のすごい効能
「外でランチを食べない」がなぜすごい習慣なのか
人生は選択の連続。しかし私たちの多くは「何をするか」に注目するあまり、「何をやめるか」という視点を忘れてしまい、「不毛な時間」を知らず知らずに過ごしてしまっている。
「アドラー心理学ベースの問いかけ」により、のべ3万人以上の「ムダな行動」を改善してきた佐藤悠希さんの著書『不毛な時間をゼロにする』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
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みなさんは、【やらないことリスト】を持っていますか?
「そんなの考えたことない」「やりたいことリストならあるけど……」という人も多いのではないでしょうか。
一つ一つ洗い出すと、じつはわたしたちの24時間は「不毛な習慣」だらけです。限られた24時間というリソースを、自分にとって「本当に必要なこと」に使うためにも、「本当は必要ないこと」を捨てていきましょう。
「やらないこと」を決めるだけで、不毛な習慣から一気に抜け出せます。
医療系商社にお勤めの30代リーダー、アラキさんは、小学生のお子さん3人のパパ。週末は子どもたちのサッカーのコーチに加えて、自分もフットサルチームに所属している活動的な方でした。
仕事では、チームメンバー5人のマネジメントに加えて、プレイヤーとしても大手クライアントを担当しており、文字どおり「自分の時間がまったくない」毎日を過ごしていました。休日も含めてあまりの時間の無さに疲れてしまったアラキさんは、「やらないことリスト」を作成することにしました。
最初は思い浮かべるのが難しかったようですが、少しずつ具体的なアイデアが生まれ始めてきます。「やらないこと」を挙げてみると、
◯ 翌日仕事のときはお酒を飲まない
◯ ランチでは外食しない
◯ 全部のメールのCCには入らない
など、ご本人も想像していなかった意外なアイデアが出てきました。
なかでも、「ランチでは外食しない」はアラキさんにとって劇的な効果を生み出しました。なぜかと言うと、アラキさんにとってのランチ外食は、
「どこのお店にするか悩む」
「お店に行って並ぶ」
「メニューを選ぶ」
「提供されるまで待つ」
「お会計の順番を待つ」
など、いくつもの不毛な時間が含まれていました。だからこそ、たかがランチと侮ることなく、「やらない」と決めたわけです。
ですが、たったそれだけでアラキさんは不毛な時間から解放され、毎日1時間近く「本当に向き合いたいこと」に時間を使えるようになったのです。