「勉強が続かない」「つい食べ過ぎてしまう」…いつまでたっても意志の弱さを変えられない理由

公開日: 更新日:

自分の「解像度」を上げると何が起きるか?

「明日から本気出す」

 そんな決意を何度したことか、という人は少なくないだろう。スマホを見る時間を減らす、ダイエットを続ける、資格の勉強を始める…。そんな小さな決意が、なぜか翌日には霧散してしまう。その原因は、実は自分自身の「解像度」にあるのかもしれない。

「アドラー心理学ベースの問いかけ」により、のべ3万人以上の「ムダな行動」を改善してきた佐藤悠希さんの著書『不毛な時間をゼロにする』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。

  ◇  ◇  ◇

「ぜんぜん仕事、終わらない! 今日も残業か……」
「しまった! ダイエット中なのにデザートのセットも付けちゃった……」
「TikTok一瞬だけ見るつもりが、いつの間にか1時間……」
「英会話のアプリ、課金したのに1週間も放置した……」

 誰もが一度はこうした「やめたいのに、やめられない習慣」「続けたいのに、うまく続けられない習慣」に悩んだ経験がありますよね。

 こうした「不毛な習慣」ループにハマってしまうと、たとえ「小さなムダ」でも積み重なることで、大きな時間を浪費することになります。多くの人が「またやっちゃった」と自己嫌悪に陥っているにもかかわらず、わたしたちはなぜ「やめたいのにやめられない」のでしょうか。

 その答えは「他人軸がめちゃくちゃ強いから」です。

「自分軸を持とう」という話は、すでに皆さんは聞いたことがあると思います。「自分軸」を持てば不要な作業をしなくなる、ということですが……ここには大きな落とし穴があります。残念ながら「自分軸」を持っているのは、あなただけではないということです。

 たとえば、スマホのアプリやSNS、動画サイトを制作している側の人たちも、自分軸(=自分たちのビジネス上の価値観・目的)をしっかり持っていて、「ユーザーにたくさん見てもらおう」と魅力的なコンテンツを次々に生み出しています。

 あなたにとっては「他人軸」にあたりますが、これらがめちゃくちゃ強力なので、その誘惑に負けてしまいがちです。

 そもそも自分軸とは、ただ「自分らしく生きる」という漠然とした概念ではありません。

【価値観(何を大切にしたい?)】+【目的(どうありたい?)】という具体的な2要素から構成されています。

「不毛な習慣」を「極めて建設的な習慣」に変えるには、このような「自分軸の解像度」をあげることが大切になってきます。そして自分軸にも、良いものとダメなものがあります。それぞれ見ていきましょう。

 ダメな自分軸

「人に喜んでもらうことが自分の価値観」

「周囲から認められることが自分の目的」

 このように、他者からの評価や反応そのものを「自分軸」として思い込んでしまうのはよろしくありません。もちろん「誰かの役に立ちたい」という貢献感や「他者から認められたい」という承認欲求は、人間誰しも持っている普遍的な気持ちです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    「聘珍樓」の3度目の倒産は“氷山の一角”か…格安店の乱立で高級中華が苦境に

  4. 4

    貴乃花の次女・白河れい「事務所退所」…“親の力を借りない”妹と長男・花田優一の現在地

  5. 5

    秋篠宮家の初孫、慶事なのに…眞子さんの出産をテレビ・新聞は当初スルー、宮内庁発表が遅れたミステリー

  1. 6

    「フラッと大阪万博」にトライ! 予約なし、行列を避けてどこまで楽しめるのか

  2. 7

    元横綱白鵬の「6.9暴露会見」に相撲協会戦々恐々…あることないこと含め、どんな爆弾発言飛び出すか

  3. 8

    ドジャース大谷がヤンキース現体制を粉々に…「やはり獲得すべきだった」批判再燃へ

  4. 9

    売れ過ぎちゃって困るわ!スバル新型フォレスターは歴代最速、発売1カ月で受注1万台超え

  5. 10

    パワハラ報道の橋本環奈"人気凋落"が春ドラマで鮮明に…一方で好感度上げたのは多部未華子