世耕弘成氏がもたらした和歌山政界の深いミゾ…子飼いの参院議員が自民から除名、“紀州戦争”の余波続く
選挙戦では地元首長に「脅し」まがいの電話も
「伸康さんを支援していた複数の地元首長が、世耕さんから脅しまがいの電話が来たと話しています。例えば、由良町の山名実町長は、世耕さんから『私らは必ず勝ちます』『(選挙戦で伸康のために)動かないで下さい』『これからの関係が大切でしょう』との電話があったと、自身のフェイスブックで告発しています」(県政担当記者)
こうした世耕氏の暗躍に対し、県内の町村長でつくる県町村会が反発。先月29日までに「選挙期間中に一部の町村長に対して威圧行為があったことは極めて遺憾」などとする特別決議を行った。
当然、自民党和歌山県連も怒り心頭だ。世耕氏は先月29日に民放番組に出演し、自民党への復党に意欲を示したが、県連側が世耕氏を受け入れる気はサラサラなさそうだ。
「『脅し事件』は県連の会合でも議題に上がり、かなり問題視されている。地元首長からは『世耕が復党するくらいなら離党する』との声まで出る始末。世耕が好き勝手動いたおかげで、地元首長や地方議員などの間に修復不可能なミゾが生じ、県政界は混乱している。結局、世耕は地元のことなんか何も考えちゃいない」(自民党和歌山県連幹部)
党本部もまた、世耕氏の扱いに頭を悩ませているようだ。
「衆参ともに過半数割れの苦しい状況で、少しでも人数が欲しいのは事実です。しかし、世耕さんには二度もケンカを売られた。さすがに、すぐに復党させるというのは難しい。安倍元首相と近かった高市さんが総裁になれば話は別ですが、しばらくは現状の会派所属で様子見でしょう」(自民党本部関係者)
「二階王国」の崩壊をもくろみ、世耕氏が仕掛けた“紀州戦争”。その余波は、まだまだ続きそうだ。
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「石破おろし」の自民党内抗争伴い、旧安倍派内でも暗闘が繰り広げられている。●関連記事【もっと読む】『「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪』で詳報している。