クマ対応に忙殺される自治体職員のもう一つの悩み…現場を疲弊させるクレーマーからの“無理難題”

公開日: 更新日:

横手市では異例のメッセージを投稿

 あらかじめ対応策を講じた自治体もある。同県横手市は昨年、クマの駆除を行った際、抗議が殺到して業務に支障が出たことから、先月、SNSに<誹謗・中傷と思われる電話などに対しては、横手市職員カスタマーハラスメント対策基本方針に基づき、毅然とした対応をさせていただきます>と異例のメッセージを投稿。それでも「人間のせいじゃないか」「クマがかわいそう」といった苦情電話が数件あった。

「そこまで手が回っていないのが現状です。電話口で大声を上げたり、罵詈雑言を浴びせられたり、あるいは30分を超えた場合はこちらから切りましょうというルールがありますが、なかなかガチャンと切るわけにもいきません。警察からも脅迫めいた電話やメール、執拗に電話がかかってきた場合は相談して欲しいと言われています」(前出の県担当者)

 マンパワーが限られる中、職員たちの精神的、肉体的負担は増す一方だ。

「9月下旬以降、急激に目撃情報が寄せられ、パトロールや広報、出没現場での対応を続けています。以来、職員は緊張感を持ちながら対応にあたっています。17日には市内で積雪があり、目撃情報は減りましたが、それでも気が抜けない状態が続いています。平時より仕事量は増え、疲労は蓄積しています」(横手市農林整備課担当者)

 このままでは通常の行政サービスにも影響が出る。安全な場所から「駆除反対」を訴える擁護派たちは、地元住民がどれだけ不自由な生活を強いられているか、分かっているのだろうか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    徳川光圀(1)水戸黄門は全国漫遊などしていない 主に出かけたのは江戸と領地の往復

  2. 2

    「マクドは健康保険と年金に加入できてよかった」 シニアが働き続けるために必要なこととは?

  3. 3

    皇族費増額の彬子女王、ブータン訪問にまた波紋…同行・伊藤穰一氏とエプスタインの“過去”

  4. 4

    天皇皇后「空海展」鑑賞で見えた“祈られる天皇”の姿…今も京都で続く「玉体安穏」とは

  5. 5

    妻子を捨て愛人と家を出た父「中学受験だけはさせてやってくれ」…小6娘を待っていた残酷な現実

  1. 6

    皇室典範改正を動かした麻生太郎氏「藤原道長の血を引く」は本当か? 学術的な研究を紐解く

  2. 7

    60歳以上も働くために必要なのは NISAでも、資格でもなく「体力」 マクドナルドでパートするシニアが明かす「筋トレ」の重要性

  3. 8

    (3)自動車「次は中古でいい」が増加中 高すぎる新車価格、機能の充実化も負担に

  4. 9

    千葉に豪雨もたらした「モンスーンジャイア」の脅威…“逆走”台風15号が伏線、背景にやはり温暖化

  5. 10

    52歳JAF職員 “踏切事故殺人未遂”逮捕で浮上した「もう一つの違反」とは?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  3. 3

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  4. 4

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  5. 5

    SNSで大バズリ! 高市首相の「激ヤバ発言動画」発掘がブームに…中には悪質な切り取りも

  1. 6

    『ヘイ・ブルドッグ』ポールの見事なアドリブに感じるコーラスグループのすごみ

  2. 7

    有望高校球児の進路事情に異変! 青学大は「ドラフト指名と同等の価値」「明大より上」とプロスカウト

  3. 8

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  4. 9

    新庄日本ハム舵切り「2位シフト」 騙し騙し起用の万波中正をついに登録抹消

  5. 10

    東京・銀座、KK線再生で誕生、東京スカイコリドーは高さ8.5メートル天空の遊歩道