日置市立ふきあげ図書館(鹿児島県)百年杉に寄りかかりながら島津、西郷ら4000冊の郷土資料が読める

公開日: 更新日:

 鹿児島県薩摩半島の中西部、日本3大砂丘の一つに数えられる吹上浜を望む日置市。かつて南薩鉄道が走っていた伊作駅の跡地に、「ふきあげ図書館」は立つ。

 一歩足を踏み入れると、ふんだんに使用された木材のぬくもりに包まれる。平屋建てながら天井が高く、完全バリアフリー設計。本棚は車椅子でも手が届く約140センチに統一されており、頭上の広々とした空間を演出する。

 中でも目を引くのが、エントランスを入ってすぐのスペースにそびえ立つ巨大な大黒柱だ。司書の米森真琴さんが言う。

「吹上の山から切り出した百年杉で、成人男性が両手を回しても届かないほどの太さです。その柱を囲むように円形のベンチを設け、大木に寄りかかるような形で読書ができます。床材はすべて吹上産の木を使い、天井や壁も鹿児島県産。故郷の恵みを感じられる図書館です」

 児童コーナーにある「おはなしのへや」は最大約150人収容可能の畳敷き。寝転びながら絵本を読んだり、朗読会や講演会が開かれたりと、親子連れに人気がある。

「ガラスで仕切られているうえ、木が音を吸収してくれるので、赤ちゃんが泣いても大丈夫。ここでは『お静かに』と注意したことはほとんどありません」(米森さん)

 驚かされるのは、畳のスペースがもう一つあることだ。一般コーナー奥の部屋は、なんと掘りごたつ式。窓の外の風景を眺めながら足を伸ばし、読書や勉強に集中できる。コンセントが設置された座席もあり、PC作業にもうってつけ。疲れたらそのまま後ろに体を倒して畳に身を預ければ、これ以上ないリフレッシュになる。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール